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「バイクのアイドリング時の回転数が高い」
「冬場の信号待ちでエンストしてしまう」
キャブ車に乗っておられる方はこのような悩みをお持ちではないでしょうか?
キャブレターは気温、気圧、湿度などの気象条件によって空気の密度が変わり、空燃比が変動するため、調整が必要になります。
僕が乗っているYB125SPはキャブ車です。
やはり季節によってアイドリングの回転数が変化したり、冬場の信号待ちでエンジンが停まってしまうことも。
アイドリングの回転数の調整は、キャブレターを分解する必要のないので初心者でも簡単に調整することができます。
この記事では、アイドリングの調整方法や冬場のキャブ車の乗り方について解説します。
なぜ気象条件がアイドリングに影響するのか?

キャブレターは、エンジンに供給する燃料と空気を混合して混合気を作り出し、その混合気の量と濃さをエンジンの状態に合わせて適切に制御します。
キャブ車のアイドリングが季節によって変化する主な原因は、気温や気圧、湿度といった気象条件が空気の密度に影響を与え、エンジンに供給される空気と燃料の混合比(空燃比)が変動するためです。
特にアイドリング時は、ごくわずかな空気と燃料の混合気を燃焼させているため、空気や燃料の供給量がわずかに変化しただけでも回転数が大きな影響を与えます。
気象条件によるアイドリングの変化とそれに伴う影響は以下の通りです。
低温時(冬場)による空気密度の変化
気温が下がると空気の密度が高まります。
これにより、同じ体積の空気中に含まれる酸素量が増え、混合気が相対的に薄くなる傾向があります。
加えて低温ではガソリンが気化しにくくなるため、エンジンの始動性が悪化したり、異常に高くなったりする原因となります。
このため、冬場の始動時にはチョークレバーを引いて一時的に空気の通路を遮断し、混合気を意図的に濃くして始動性を高める機構が用いられます。
高温時(夏場)による空気密度の変化
気温が上がると空気は膨張して密度が低下するため、混合気が相対的に濃くなる傾向があります。
これにより、アイドリングが不安定になったり、エンジンの吹け上がりが悪くなったりすることがあります。
湿度の上昇(雨の日など)による湿度の変化
空気中の湿度が高まると酸素密度が低下するため、混合気は濃くなります。
気圧・標高の変化
気圧の変化や標高が高くなると、空気の密度が低くなります。
これにより、燃料が相対的に多くなり混合気は濃くなります。
アイドリング回転数の調整方法

キャブレターのアイドリング調整は、エンジンが安定して動作するために重要な作業です。
調整は、アイドルアジャストスクリューとパイロットスクリューを使って行います。
アイドリング調整は、エンジンが完全に暖まった状態で行います。
これにより、実際の走行状態に近い条件で調整ができます。
少なくとも5分程度行うのが目安です。
アイドリング回転数を調整するためのアイドルアジャストスクリューを操作します。
時計回りに締め込むと回転数が上がり、反時計回りに緩めると回転数が下がります。
目標とする回転数は、バイクの取扱説明書に記載されている値を参考にしますが、一般的には800rpm~1500rpm程度が正常な範囲とされています。

パイロットスクリューをマイナスドライバーで徐々に緩めて(左回転)、回転数が最も高くなるポイントを探します。
調整範囲は、締め込んだ位置から1回転~2回転半戻しが基本とされていますが、稀に例外もあります。
元の位置を記録しておけば、最悪の場合でも元に戻すことができます。

パイロットスクリューの調整で回転数が上がっている場合は、アイドルアジャストスクリューを緩めて適切な回転数に調整します。
調整後、スロットルを数回空吹かしして回転数が安定しているかを確認し、実際に試運転をして信号待ちなどの実走行状態でも安定しているかを確認します。
冬場のキャブ車の乗り方

キャブレター式のバイクは、気温や湿度の影響を受けてアイドリングの回転数が変化します。
特に特に冬場(低温時)は、空気が密度を増して酸素の供給量が多くなり、燃料が気化しにくくなるため、混合気が薄くなる傾向があります。
YB125SPの場合は、信号待ちでエンジンの回転数が低下して、エンストしてしまう事があるのでキャブレターを調整する必要があります。
冬場の始動とチョークの役割
エンジンが冷えている低温時には、燃料が気化しにくく始動性が悪化するため、チョークレバーが重要な役割を果たします。
チョークは、一時的に吸気通路を狭めて空気の流速を上げたり、燃料の供給量を増やしたりすることで、混合気を濃くするための機構です。
これにより、気温の低い環境でもエンジンをかかりやすくします。
エンジンが十分に暖まったら、チョークを元に位置に戻します。
パイロットスクリューの調整
気温が低いと空気の密度が高くなり、混合気が薄くなります。
混合気が薄くなるとアイドリングが不安定になり、最悪の場合、信号待ちなどで停車しているとエンストしていしまいます。
そこで、パイロットスクリューを締め込んで空気の量を減らして、適切な混合比率にします。
YB125SPの場合は、パイロットスクリューを半周締めることで信号待ちでもエンストしなくなります。
キャブヒーター
キャブヒーターはサーモスイッチによって低温時に自動的に作動し、キャブレターを電気のヒーターで加熱します。
冬場でも燃料の気化を助け、エンジンの安定した動作をサポートします。
YB125SPの場合は、後付けでキャブヒーターを取り付ける事ができます。
まとめ
現在は電子制御のインジェクションが主流となっていますが、かつてはキャブレターが燃料供給装置の主流でした。
キャブレターは気象条件によって混合比率が変化するので、適切に調整する必要があります。
インジェクションと比較すると手間がかかるところもありますが、アクセル操作に対するダイレクトな反応や、機械的な吸気音など、キャブレターならではの操る楽しさがあります。
機械いじりが得意な方は、キャブレターの調整にも挑戦してみてはいかがでしょうか。